みなさま、こんにちは。
申請取次行政書士の高橋浩二です。
今日は少し寒かったかもしれませんが、2月下旬からだんだん暖かくなってきました。
過ごしやすいのでうれしいです。
さて、今日のテーマは「外国人が転職したり、会社を変わった場合にしなければならないこと。」です。
私は外国人が転職等をしたときは、入国管理局に2つの届出(申請)をするべき(したほうがいい)と考えています。
まずは必ずしなければならない届出について記載します。
入国管理局に必ずしなければならない届出とは?
外国人が従来の会社を辞めたり、新しい会社に移籍した時は、その旨を入国管理局に届け出なければなりません。
以前は、入管に届ける必要はなかったのですが、2012年7月9日からこのような制度ができました。
このため、会社を辞めた人は、会社を辞めたことを入国管理局に届け出なければなりません。
次に新しい会社に就職したら、新しい会社に就職したことを入国管理局に届け出なければなりません。
つまり転職した人は、辞めた届出と就職した届出の2つの届出を出さないといけないということですね。
このような届出の制度は就労ビザに限らず、例えば留学ビザについてもあります。
留学ビザで日本に来た外国人が学校を辞めた場合は、辞めたことを入国管理局に届け出なければならないというものです。
このような届出が必要になるかどうかは、ビザの種類にもよりますので、届出が必要かどうかわからなければ、とりあえず入国管理局に確認したほうがいいでしょう。
就労資格証明書の申請をしておいたほうが無難
さて、ここからが本題です。
ここからは純粋に転職をした場合の話です。
就労ビザを持っている外国人の場合の話ですが、私は、就労ビザを持っている外国人が転職した場合は、就労資格証明書を取得したほうがいいと考えています。
就労資格証明書とは?
就労資格証明書とは、外国人が日本で就労できることを証明する書類です。
それを見ることで、雇用主はその外国人がどのようなビザを持っており、どのような活動ができるかが判断できます。
しかし、現在では「在留カード」を見ればその外国人のビザの種類や就労の可否はわかるため、通常の場合であれば、就労資格証明書を取得する意味はほとんどありません。
実際のところ、就労資格証明書を取得するかどうかは外国人の自由なので、就労資格証明書を持っていない外国人がほとんどだと思います。
転職した場合は、就労資格証明書を取ったほうがいい
このように、通常の場合は就労資格証明書を取る意味はほとんどないのですが、転職した場合は就労資格証明書を取ったほうがいいかもしれません。
【事例】
外国人のXさんがエンジニアとしてA社で働くことになりました。
そこでXさんは「技術」のビザを取り、A社で働き始めました。
ところがAさんは途中でその会社を辞め、別のB社でエンジニアとして働くことになりました。
ビザの期限が到来したので、ビザを更新しようとしたところ、入国管理局は「Xさんが働いているB社の業務は、それほど専門的な業務ではない」という理由でXさんのビザ更新を拒否しました。
この事例の場合、Xさんはビザの更新を拒否されたことにより、突然、日本に滞在できなくなります。
すでにビザの期限がほとんど無いため、手の打ちようがないですね。
つまり、この事例のように、就労ビザというのは本人にビザを取る資格があるかだけではなく、就職先が適切か? ということも含めて判断されます。
そのため就職先が適切でない場合は、ビザの更新が認められないこともあります。
【事例】では、どうすればよかったのか?
では、このような転職事案の場合、どうすればよかったのでしょうか?
実は、このような事例が、まさに就労資格証明書を取っておいたほうが良かった典型です。
今回のケースでは、XさんはB社に転職して、すぐに就労資格証明書を申請するべきでした。
なぜなら就労資格証明書を申請すれば、入国管理局は就職先の適否も含めて審査するからです。
そのため、就労資格証明書が交付されれば、Xさん就職先(B社)は、法律的に何ら問題がない会社ということになり、ビザの更新時も、おそらく問題なく更新できたと思います。
しかし、これとは反対に就労資格証明書が交付されないことも十分考えられます。
この場合、Bさんにとってはかわいそうな話です。
けれど、仮に就労資格証明書の申請をしなかった場合は、ビザの期限がほとんど無い状態で、次の対策を考えなければならないのに対し、この段階で就職先が不適切と分かれば、ビザの期限はまだ残っているので、次の就職先を探すといった別の対策を採ることもできます。
このようなことがあるため、就労ビザで働いている外国人が転職した際は、就労資格証明書を取得しておかれることをお勧めします。