平成27年4月から「投資・経営」ビザは「経営・管理」ビザに変わりました。
「投資・経営」ビザも「経営・管理」ビザも、日本で事業をしたいと考える外国人に認められるビザです。
(経営者ではなくて、管理者になる場合も「投資・経営」ビザ、「経営・管理」ビザの対象ですが、管理者になる場合は今回は触れません。)
しかし「経営・管理」ビザは「投資・経営」ビザとは異なる点が3つあります。
1.申請人が投資しなくてもよい
「経営・管理」ビザが「投資・経営」ビザと異なる一番の点は、申請人自身が投資しなくてもよいという点でしょう。
以前は、申請人Aが「投資・経営」ビザを取得する場合、Aが500万円以上のお金を用意する必要がありました。
そのため仮にAが500万円を持っていない場合は、お金を持っているBがAに500万円を贈与または貸与する必要がありました。
そのお金でAが自分の会社を設立するなどして事業を行う必要がありました。
しかし「経営・管理」ビザではA自身がお金を出す必要はありません。
そこで「お金を持っているBが出資して会社を設立し、そこにAを取締役として迎える」といった方法でも「経営・管理」ビザを取得できるようになりました。
2.外資と日系の区別がない
「投資・経営」ビザの時代は、外国人が会社(X社とします)の経営を引き継いで経営したいと考えた場合、X社は外資系の会社でなければなりませんでした。
日系企業の経営を外国人が引き継ぐことはできなかったのです。
しかし「経営・管理」ビザになってからは外資、日系の区別なく、外国人が会社の経営を引き継ぐことができるようになりました。
3.500万円の投資
「投資・経営」ビザを取得する場合は基本的に500万円の投資が必要でした。
これに対して「経営・管理」ビザの場合は、「資本金の額または出資の総額が500万円以上」と規定されました。
厳密には「500万円の投資」と「資本金の額または出資の総額が500万円以上」の意味は異なります。
「資本金の額または出資の総額が500万円以上」のほうが要件としては緩やかです。
しかし、実質的にはほぼ同義と考えてよいでしょう。
おそらく、「投資・経営」ビザの「500万円の投資」というのが何を意味するのか分かりにくいため、「経営・管理」ビザでは「資本金の額が500万円以上」と明記されたのでしょう。
以上、「投資・経営」ビザと「経営・管理」ビザの3つ違いを記載しました。
この中で最も大きな違いは1点目の申請人自身が500万円を用意する必要はないという点でしょう。
従来の「投資・経営」ビザでは、投資家Bはいったん経営者Aにお金を渡さなければならず、そのため会社を設立したとしてもAが株主になる必要がありました。
ところが「経営・管理」ビザができたことにより、投資家Bが500万円を用意して会社を設立し、自分が株主となってAを招へいするということが可能になりました。
投資家Bが株主になることができる点が最大の特徴ですね。
また、いったん経営者Aにお金を渡さなくてもいいことから、安全性が増しますし、手続きも多少ですが緩和されますね。