外国人技能実習生を受け入れる協同組合
「協同組合」という組織があります。
協同組合とは中小の企業が集まり、事業を共同で行う組織です。
これにより仕入力の強化、販売力の強化などを図っています。
この協同組合の中には、外国人技能実習生の受け入れ事業を行っているところもあります。
外国人技能実習生というのは、外国人を日本で研修・実習させる仕組みです。
中小企業の場合、通常は企業単独で外国人技能実習生を受け入れることは難しいのですが、協同組合を通すことにより比較的簡単に外国人技能実習生を受け入れることができるようになります。
協同組合は「技能実習」ビザに詳しい
外国人技能実習生を受け入れる場合、「技能実習」というビザが発行されます。
この「技能実習」というビザは、おそらくビザの中で最も書類作成が複雑です。
ですから「技能実習」の申請書を作る組合の担当者の負担はかなりのものでしょうね。
協同組合は「技能実習」以外のビザに詳しいとは限らない
さて現在日本で発行されるビザの種類は、「技能実習」を含めて27種類あります。
協同組合は確かに「技能実習」のビザには詳しいです。
しかし、それ以外のビザに関して詳しいとは限りません。
当事務所には組合に入っている企業さんから相談を受けることがあるのですが、具体的には、
- 協同組合が技能実習生に対して「あなたは就労ビザが取れる」とアドバイスしたが、実際には取れないことが分かり技能実習生がやる気をなくした
- 技能実習生が「経営・管理」ビザが欲しいというので、協同組合の言う通りに手続きを進めたが、ビザの申請に落ちた
- 協同組合から「就労ビザを取得するためには、大学を卒業し、その後10年以上の実務経験が必要」と言われたが本当か? ⇒正しくは、「大学等を卒業するか」または「10年(場合によっては3年)の実務経験」があれば就労ビザを取ることができる。どちらか一方でよい。
といった相談を受けています。
ですから組合に入られている企業さんが「技能実習」以外のビザを申請する場合は、組合の意見だけではなく、セカンドオピニオンとして行政書士の意見も聞くことをお勧めします。