業務日誌

入国管理局は求人情報を検索する!

入国管理局は求人情報を検索します

入国管理局が求人情報を検索していることを知っていますか?

私の周囲でも、このことを知らないで痛い目にあった人が何人かいます。

就労ビザでは給料が審査対象のひとつ

就労ビザを申請する場合、外国人の給料がいくらか? という点が審査対象のひとつとなります。

この場合、外国人に支払う給料は日本人と同等額以上であることが絶対条件です。

このような条件がある理由は、もし「外国人に支払う給料は日本人以下でよい」ということになると、企業は日本人の雇用をやめて外国人を雇用するようになるでしょう。

すると日本人が雇用を失うだけでなく、外国人の労働環境も悪化します。

これを防ぐために、外国人の給料は日本人と同等額以上でなければならないのです。

求人情報はネットに転載される

では仮に、企業が外国人の給料を日本人の給料未満にした場合、ビザは出るのでしょうか?

もちろん入国管理局も万能ではありませんので、外国人の給料が日本人の給料に満たないことが分からないこともあります。
その場合は、ビザが出ることになります。

ところが一方で外国人の給料が日本人の給料に満たない場合に、それが入管にばれることもあります。

なぜ入管にばれたのでしょうか?

通常は就業規則や賃金台帳からばれるのですが、ほかにもばれる理由があります。
それが企業の求人広告です。

たとえば、ある企業が外国人を雇用するにあたり「月額15万円で外国人を雇用する」と入国管理局に申請したとします。
ところがその企業は過去に求人誌で月額18万円で求人広告を出していたとしましょう。

求人広告を出した場合、紙媒体だけでなくネットにも求人情報が記載されます。

ハローワークの求人についても同じです。

ハローワークに求人を出すと、ハローワークの求人サイトから求人情報を見ることができるのですが、ハローワーク以外の求人サイトにもハローワークの求人情報が転載されることがあります。

そうすると仮にハローワークの求人サイトでは期限切れによりその企業の求人情報を見ることが出来なくなった場合でも、転載先のサイトではその企業の求人情報を見ることができる場合があります。

つまり一般の求人広告であれ、ハローワークの求人広告であれ、その企業が過去に求人広告を出すと、その事実がネット上に長く残るわけです。

入管はこれをネットで検索するのです。

そうすると入管はネット検索により、その企業が過去に18万円で求人募集をかけていたことを知ることになります。

なぜ過去の求人広告では18万円で、今回のビザ申請では15万円なのか? その点を合理的に説明しないとビザ申請は不許可になります。

たとえば本当に業績が悪化して15万円しか出せないのかもしれません。
そのような場合は、賃金台帳などを提出して15万円の給料が妥当であることを説明すればいいでしょう。

これに対して給料が15万円になったことを合理的に説明できない場合は、残念ですがビザは不許可になります。

仮に不許可になった場合は、給料が異なる理由の説明を再度行うか、あるいは給料を上げたうえでビザの申請をすることになります。