めずらしい相談を受けました。
現在、1年の就労ビザで日本に滞在している方なのですが、経営・管理ビザ(投資・経営ビザ)を取得して、コンビニ経営ができないか? という相談でした。
はたして外国人が経営・管理ビザを取得してコンビニ経営はできるのでしょうか?
どんな事業でも経営・管理ビザの対象にはなる
最初に断わっておくと経営・管理ビザというのは、外国人が日本で事業を行うためのビザです。
実は日本で行う事業であれば、どのような事業も経営・管理ビザの対象になります。
「コンビニ経営だからダメ」という決まりはありません。
この観点からすると、外国人でもコンビニ経営はできるようにも思えます。
問題はコンビニ本部が認めるかどうか
ただし、経営・管理ビザを取ろうとすると、事前にある程度の準備をし、コンビニ経営をするという実態を備えておかなければなりません。
今回の例だと、最低でもコンビニ本部とフランチャイズ契約を結び、出店場所まで決めておく必要があります。
そしてビザ申請にあたっては、出店場所の登記簿や賃貸借契約書、場合によってはコンビニ本部とのフランチャイズ契約書を提出することになります。
それらを提出することで、コンビニとしての実態があることを証明するんですね。
ここからが本題ですが、今回の案件でひとつ気になっていることがあります。
それは「そもそもコンビニ本部は外国人とフランチャイズ契約を結ぶのか?」という点です。
ここからは私の推測なのですが、外国人といっても、たとえば永住ビザを取得している人であれば、あるいはフランチャイズ契約を結ぶかもしれません。
しかし今回の相談者のように現在1年の就労ビザしか持っていない人と契約を結ぶのでしょうか?
コンビニの契約に詳しいわけではありませんが、コンビニと契約する場合、一定期間は営業を続けるという契約になっているはずです。
場合によってはコンビニ本部が各種契約の保証人になることもあるでしょう。
ところが一方で、契約期間中に何らかの事情で外国人にビザが認められなかった場合、その人は日本を退去しなければならなくなり、契約が遂行できません。
その意味で、外国人と契約を結ぶことはコンビニ本部としても不安要素が残るわけです。
そのような立場の人とコンビニ本部が契約を結ぶとは、私には思えないのです。
もちろん外国人と契約を結ぶかどうかはコンビニ本部の判断ですから、断定的なことは言えません。
ただひとつ言えることは、外国人がコンビニ本部と契約が結べるかどうかは、「いかに長期間日本に滞在できるか」「ビザの更新に問題がないか」という点を説明できるかどうかにかかっていることは間違いありません。