こんにちは、行政書士の高橋です。
今日は帰化と永住の手間の違いについて書いてみます。
帰化のほうがはるかに手間がかかります!
「帰化と永住とではどちらが難しいですか?」と聞かれることがあります。
帰化も永住も日本に長期に滞在できる点は同じです。
日本に長期滞在する外国人の多くは、最後は永住か、場合によっては帰化を選択します。
帰化と永住は一見すると同じくらいの難しさにも思えます。
しかし、難しいかどうかはさておき、申請に手間がかかるのは圧倒的に帰化です。
あくまでも個人的見解ですが、永住の3倍、いや5倍くらい手間がかかるかもしれません。
なぜ、帰化はそんなに手間がかかるのでしょうか?
提出しなければならない資料の多さ
帰化の手間がかかる原因の一つが、提出資料の多さです。
永住の場合、提出する資料はそれほど多くありません。
提出する資料の量は、他のビザ申請と大差はありません。
しかし、帰化の場合は明らかに提出資料が増えます。
お金に関する資料だけを見ても、在職証明書や源泉徴収票、通帳のコピーが要求されます。
さらに永住では要求されない資料(例えば卒業証明書とか、運転記録証明書など)も、帰化では要求されます。
最大の問題は外国から発行される身分証明書を準備すること
しかし、なんだかんだ言っても、帰化が手間がかかる最大のポイントは、外国発行の資料、特に外国発行の身分関係の資料を多く要求されるという点でしょう。
永住の場合も外国発行の身分証明書を要求されることもありますが、申請人に関する資料を1通前後提出すればいいので、必要数はそれほど多くないです。
これに対して帰化の場合は、帰化をする外国人本人の資料はもとより、両親の資料や兄弟姉妹の資料も要求されます。
つまり外国から取り寄せなければならない資料が圧倒的に増えます。
しかも簡単に資料を取り寄せることができるのであれば問題はないのですが、外国によっては資料を簡単に発行しない国もあります(発行に時間がかかるとか、1通しか発行しない等)。
このため外国の資料がそろわず帰化を見送る人も大勢います。
今、私が手掛けている某国の人は、祖国から原本が1通しか発行されないそうです。
その1通を帰化のために使ってしまうと、のちに原本が必要になった時に困ります。
そこでこの方は今度、東京の某国大使館に行き、その原本のコピーを認証してもらおうとしています。
「原本のコピーを認証する」というのは、要するに原本のコピーを本物と同等のものとして認めてもらう、ということですね。
こうすれば原本を手元に残したまま帰化申請ができますね。
もちろん費用もかかります
帰化のほうが永住よりも、準備する資料が多いことから、費用も多くかかります。
特に費用がかかるのが翻訳です。
自分で日本語に翻訳できる方はいいのですが、翻訳を業者に頼むと1通あたり3千円前後~1万円前後のお金がかかります。
そのため翻訳費用だけを言うと、永住が数千円~数万円の費用で翻訳ができるのに対し、帰化の翻訳は5万円前後~15万円前後のお金がかかることがあります。
このように翻訳費用がかかる、という点も永住より帰化のほうが手間がかかる理由の一つですね。
(ちなみに帰化や永住の申請を私のような行政書士に依頼すると、別途、報酬として10万円前後~30万円前後の費用がかかります。具体的な報酬額は各行政書士によって異なるので、それぞれの行政書士にお尋ねください。)