業務日誌

第三者からのビザ手続きの依頼を断る理由

第三者からのビザの依頼はお断りします!

みなさま、こんにちは。

申請取次行政書士の高橋です。

今日、関西の行政書士と名乗る方から、「広島入国管理局へのビザの提出だけお願いできないか?」という電話がありました。

要するに、「依頼者との面談やビザ申請書の作成はこちらで行い、作成した申請書は郵送するから、そちらの事務所で広島入国管理局に申請書を提出してほしい。」という話でした。

確かに、この方法だと、関西の行政書士さんは広島に来る交通費が削減できますね。

ウチの事務所としても、依頼者との打ち合わせや面倒な書類作成の手間が省けます。
お互いにWin-Winの関係を築くことができますね。

しかし、ウチの事務所は本人と直接面談できる仕事しか引き受けません。

本人と面談できるのであれば、面談に第三者が同席しても構いません。

また仮に本人が外国にいたような場合であって、日本国内の親族からの依頼なら引き受けることも多いです。

さらに言うと、外国人を雇用したいと考えている会社の社長からの依頼もお受けします。

しかし、このような直接の関係者以外の方からの依頼は、たとえ行政書士からの依頼であってもお断りしています。

第三者を介した仕事では責任を負えない

なぜ、ウチの事務所は第三者の依頼を断るのかというと、第1に、第三者を介した仕事では責任を負えないからです。

仮に、関西の行政書士の依頼を受け、ウチの事務所が広島入国管理局にビザの申請書を提出したとしましょう。

そうするとその申請書にはウチの事務所の名前が表示されます。関西の行政書士の名前は表示されません。

その場合、広島入国管理局からの問い合わせに対応するのはウチの事務所ということになります。

別に行政書士が共同で業務をするのが悪いわけではありません。
私もビザの業務以外であれば、他の行政書士と共同で仕事をしたいと思っています。

しかし、ビザ業務はいったん申請書を提出すると内容の訂正・修正をすることが難しいという特殊性があります。

また、万が一虚偽の申請をすると、行政書士の資格を取り消されたり、場合によっては逮捕されることも十分にありうるのがビザ業務の特徴です。

(ネットで検索すると分かりますが、虚偽のビザ申請をして逮捕された行政書士はたくさんいます。)

このためビザの業務は、他の業務よりも厳格に本人への意思疎通を図ったり、申請内容の確認を徹底しなければならないのです。

しかしながらウチの事務所は、第三者を介した仕事では外国人本人への意思疎通や申請内容の確認を徹底することは難しいと考えています。

そのため、第三者を介した仕事はお断りしています。

そもそも第三者を介したビザ業務は禁止されています

それとウチの事務所が第三者を介した仕事を断る第2の理由は、そもそも行政書士は、ビザの業務については第三者を介して依頼を引き受けてはいけないからです。

これは法律だか規則だか忘れましたが、ビザの業務を取り扱う際に行政書士会に宣誓書を提出するのですが、その中にそのような項目が書いてあります。

この項目は厳格に適用されており、たとえばAという行政書士がいたとすると、AやAの職員しかビザの業務を受注することはできません。

仮にA行政書士が別のB会社を経営しており、B会社がビザ業務を引き受け(B会社が外国人向けのサービスを展開している場合はこのようなこともあります)、これをA行政書士が業務を処理し、入国管理局に申請書を提出することは禁止されます。