業務日誌

パスポートがない場合に過去の出入国歴を調べる方法

みなさま、こんにちは。

申請取次行政書士の高橋浩二です。

今回は、パスポートがない場合に過去の出入国歴を調べる方法について書いてみます。

(ただし、ここに記載するのは日本の出入国歴の調べ方です。外国での出入国歴の調べ方については、必ずしもこのとおりとは限らないことに注意してください。)

法務省に情報開示を請求すれば、過去の出入国歴を知ることができる

新規にビザ(在留資格)を申請する場合、その外国人の出入国歴を記載しなければなりません。

また結婚ビザを申請するような場合には、外国人だけでなく、日本人の出入国歴も記載しなければなりません。

このような場合に、日本の出入国歴はどのように調べればよいのでしょうか?

手っ取り早い方法はパスポートを確認することですね。
パスポートには出入国の印が押されますので、それを見れば出入国歴が分かります。

しかしパスポートを確認すると言っても、古いパスポートについては既に捨てており、手元にない場合もありますよね。

その場合はどうすればいいのでしょうか?

実はこの場合でも、日本政府は個人の出入国歴を管理しており、東京の法務省に出入国記録の開示を請求すれば、過去の出入国歴を知ることができます。

対象者が日本人の場合は1973年(昭和48年)4月1日以降、外国人の場合は1970年(昭和45年)11月1日以降であれば、出入国の記録を取り寄せることができます。

法務省のサイトはこちら
http://www.moj.go.jp/hisho/bunsho/disclose_disclose05-05.html

そのため法務省から渡航記録を取り寄せることによって、対象者の過去の日本の出入国歴を知ることができます。

開示請求できるのは本人のみ

この渡航記録の開示請求ですが、いくつかの注意点があります。

まず開示請求できるのは本人に限ります。家族や親族が代理で開示を請求することはできません。
そのため例えば妻の出入国歴の開示を夫が請求する、といったことはできません。

ただし例外的に、本人が未成年者又は成年被後見人の場合に限り、法定代理人が開示を請求することができるにとどまります。

日本に住民票のある人は郵送でも請求できる

日本に住民票がある人は、郵送でも開示請求をすることができます。

海外にいる外国人が開示を請求するためには、直接法務省に出向く必要がある

渡航歴の開示請求は外国人も行うことができます。

しかし、外国人が海外にいる場合、日本に住民票がないため、郵送での請求はできません。また代理人による請求もできないため、結局、この場合は、直接東京の法務省に(パスポートを持って)出向き、開示を請求しなければなりません。

かなりの手間ですね。

外国人の場合は日本政府に渡航歴の開示を求めるよりも、国によってはその国の政府が渡航歴の証明書を発行してくれる場合もありますので、まずは自国政府に証明書の発行が可能かどうか確認されたほうがよいかもしれませんね。