みなさん、こんにちは。
申請取次行政書士の高橋浩二です。
今回は、認知されていない子供を日本に入国させることはできるか? というテーマを書きたいと思います。
観光ビザでの入国ではなく、長期滞在のビザを取って入国できるかどうかが今回のテーマです。
認知されていなければ、子供を長期滞在させることは難しい
ある日本人男性と外国人女性がいたとして(もちろんこの2人は結婚していない)、二人の間に子供ができたとしましょう。
この場合、もし日本人男性がその子供を認知すれば、その子は日本人男性の子供と確定するので、その場合は「日本人の配偶者等」というビザで日本に入国することができます。
では日本人男性が子供を認知しない場合はどうなるのでしょうか?
この場合は残念ですが、子供が日本に長期滞在するのは難しいでしょう。
今回のようなケースの場合、子供を日本に滞在させようとすると、おそらく「日本人の配偶者等」のビザか、「定住者」のビザで申請すると思います。
けれど、どちらのビザ取得も難しいでしょう。その理由を説明します。
「日本人の配偶者等」が認められるためには戸籍謄本が必要
もし「日本人の配偶者等」でビザ申請をするのなら、親子関係が記載された戸籍謄本を入国管理局に提出しなければなりません。
入管は提出された戸籍謄本を見て親子関係を判断しますが、認知がないのなら、戸籍謄本には親子関係は記載されませんので「日本人の配偶者等」のビザは発行されません。
「定住者」を取ろうとしても、日本人と関係があることを証明できない
今回の場合、「日本人の配偶者等」のビザ以外でビザ申請をしようとすれば、おそらく「定住者」しかないでしょう。
「定住者」がどのようなビザかを説明するのは難しいのですが、日系人など日本と関係がある場合に認められるビザです(もちろんそれ以外の場合にも「定住者」ビザが発行される場合はありますが、話を分かりやすくするために割愛します)。
つまり今回のケースも、子供が日本と関係があることを証明すれば「定住者」が取れる可能性はあります。
けれど日本と関係があることをどうやって証明するのですか?
生物学上は子供は日本人男性の子供なのかもしれません。けれど、それを法律的に証明できますか?
認知されていないのなら証明できないでしょう?
証明できないなら入管は「定住者」を認めないでしょう。
仮にDNA鑑定の結果を提出し、両者が親子である可能性が高い旨を主張したとしても、(私の推測ですが)入管は在留資格を認めないでしょう。
なぜなら仮に入管の一存で在留資格を認めてしまうと、あとで日本人男性から裁判を起こされて親子関係が否定されると入管としても困ってしまうからです。
というわけで、認知されていない子供を日本に長期滞在させることは難しいです。
子供を日本に長期滞在させるためには、日本人に認知をしてもらい(あるいは認知の裁判をし)、その後「日本人の配偶者等」を申請するという流れにならざるを得ないと思います。