みなさん、こんにちは。
申請取次行政書士の高橋浩二です。
今回のテーマは、「タンス預金と投資・経営」です。
タンス預金で500万円貯めた場合、「投資・経営」の在留資格は取れるのでしょうか?
500万円貯めれることができる状況にあるかどうかがポイント
最初に確認ですが、「投資・経営」の在留資格を取る場合、500万円を投資することが必要になります。
そして大事なことは、単に500万円を用意すればいいのではなく、どのように用意したのか、その出所を問われる点です。
何の説明もなく、ポーンと500万円が預金通帳に振り込まれていただけで出所を明らかにしたとは言えません。
そのお金がどのような性質のものか? どこから振り込まれたか? という点も問題となります。
タンス預金に話を戻します。
外国人に「どうやって500万円を用意したんですか?」と聞くと、「来日するたびに、少しずつ持ち込みました。」と答える方がいます。
また日本で働いた場合(特にアルバイトの場合が多いのですが)、「給料は手渡しです。源泉徴収票もありません。」という場合も多いです。
このような場合、どのように500万円用意したことを立証すればいいのでしょうか?
できるだけ証拠を集めてください。
このような場合、私であれば、立証の方針として外国人の全収入を明らかにし、次に生活費など支出を計算し、最後に収入と支出の差額が500万円以上あることを証明しようとすると思います
(別に1年だけの差額ではなく、数年間かけて500万円貯めたということで構いません)。
そのために外国人の収入を明らかにしなければならないのですが、働いていた場合は役所で本人の課税証明書(収入証明書)を取得します。確実性を期するために、できることなら就労した会社の在職証明書も欲しいですね。
そして課税証明書によってある程度の収入が認められれば、そこから生活費や学費などを控除し、500万円を貯めることができるかどうかを考えていきます。
課税証明書以外の収入をどのように証明するか? という問題ですが、例えばもしも日本入国の際に持ち込んだお金が100万円を超えるのであれば、税関に提出した申告書の控えを提出します。
留学生などで奨学金をもらっているのであれば、奨学金の受け取り状況ががわかる資料も提出します。
もちろん預貯金の通帳があるのなら、真っ先に通帳を提出してください。
このようにタンス預金で500万円を貯めたと主張するのであれば、本当に500万円を貯めることができるのかどうか、できるだけ客観的な証拠するべきだと思います。
もしも証拠が全くなかったら…?
さて、上記のように証拠を集めるべきですが、タンス預金の場合、客観的な証拠が確実にそろうとは限りません。
しかしその場合でも、出せる証拠はすべて出してください。
当事務所でも、100%ではありませんが、先に述べた方法により証拠を収集し、「投資・経営」の在留資格を取得したことがありますので、完全に証拠がそろわないとダメということはないようです。
では、まったく証拠がなかったらどうでしょうか?
たとえば、500万円をすべて袋に詰めて日本に持ち込んだ場合はどうでしょう? 持ち込みの記録や税関への申告も無かったら…?
正直言って、このような場合にまで「投資・経営」が出るかどうかはわかりません。このような場合は、在留資格が認められない可能性はありますね。
このような場合でも、例えば母国で直前に500万円を引き下ろしている預金通帳があればそれを提出することになるでしょう。
しかし、なんにしろタンス預金は避けておいたほうが無難なのは間違いありません。